一般社団法人日本サステナブル投資研究所(JSIL)では、サステナブルの観点からESG経営におけるアドバイスを研究者の立場から上場企業様、非上場企業様に対してご提案させて頂いております。

また、日本におけるESG投資の課題認識を、短期的な志向ではなく、長期的な視点での取り組みが求められる中で、一部の海外投資家は既に日本での存在感を強めており、日本にも ESGへの対応を求めている理由から、海外投資家との対話を進め、情報開示ニーズを理解する必要があります。

 

ESG 投資の種類

GSIA は、ESG 投資を以下の7 つに分類しています。前の6 つが投資ポートフォリオを作るためのESG 投資の戦略。最後の「エンゲージメント・議決権行使型」は、投資前後の投資(候補)先企業へのエンゲージメントや議決権行使を積極的に行う、いわゆる「アクティビスト(物言う株主)」型の戦略です。7 つの戦略は重複しても用いられることも多く、特に前6 つと「エンゲージメント・議決権行使型」は重複することが多くあります。

  1. ネガティブスクリーニング(Negative/exclusionary screening) 1920 年代に米国のキリスト教系財団から始まった最も歴史の古い手法。今では欧州でも広く普及しています。武器、ギャンブル、たばこ、アルコール、原子力発電、ポルノなど、倫理的でないと定義される特定の業界に属する企業を投資先から除外する戦略。
  2. ポジティブスクリーニング(Positive/best-in-class screening) 1990 年代に欧州で始まった手法。同種の業界の中でESG 関連の評価が最も高い企業に投資する戦略。ESG 考慮の高い企業は中長期的に業績が高くなるという発想に基づく。ポジティブスクリーニングをすると、投資ユニバース(投資先企業リスト)が非常に小さくなると言われることもあり(一説では30%から70%小さくなる)、下の規範に基づくスクリーニングを推奨する専門家も少なくない。
  3. 規範に基づくスクリーニング(Norms-based screening) 2000 年代に北欧で始まった比較的新しい手法。ESG 分野での国際基準に照らし合わせ、その基準をクリアしていない企業を投資先リストから除外する手法。ポジティブスクリーニングに比べ投資ユニバースを大きくすることができると評価する専門家もいる。
  4. ESG インテグレーション型(ESG integration) 最も広く普及しつつある手法。投資先選定の過程で、従来考慮してきた財務情報だけでなく非財務情報も含めて分析をする戦略。特に年金基金など長期投資性向の強い資金を運用するファンドなどが、将来の事業リスクや競争力などを図る上で積極的に非財務情報(ESG 情報)を活用し、アルファ(市場平均よりも大きなリターン)を目指すために用いられることが多い。
  5. サステナビリティテーマ投資型(Sustainability-themed investing) サステナビリティを全面に謳ったファンドへの投資。サステナビリティ関連企業やプロジェクト(特に再生可能エネルギー、持続可能な農業等)に対する投資が有名。太陽光発電事業への投資ファンド、グリーンボンドなどもこのカテゴリーに属する。
  6. インパクト投資型(Impact/community investing) 社会・環境に貢献する技術やサービスを提供する企業に対して行う投資。比較的小規模の非上場企業への投資が多いため、このタイプのファンドの運用はベンチャーキャピタルが行っていることも多い。最近では個人投資家からも資金提供を募ることも増えてきた。インパクト投資の中で、社会的弱者や支援の手が行き届いていないコミュニティに対するものは、コミュニティ投資と呼ばれる。
  7. エンゲージメント・議決権行使型(Corporate engagement and shareholder action) 株主として企業に対してESGに関する案件に積極的に働きかける投資手法。株主総会での議決権行使、日常的な経営者へのエンゲージメント、情報開示要求などを通じて投資先企業に対してESGへの配慮を迫る。近年は、気候変動関連や役員報酬(SAY ON PAY)に対して声を上げることが多い。このタイプの手法をとる株主は「アクティビスト」「物言う株主」とも呼ばれる。

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